イベとぴ ~ふじ楽いず楽~

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21日に安良里で30年ぶりの弁財天像御開帳-行ってきました

3月の21~23日に西伊豆町の安良里で秘仏・弁財天像の御開帳が30年ぶりに行われます

安良里を守る弁天島

安良里弁天島のご開帳

安良里弁天島のご開帳

漁業が盛んだった同港の入り口にある弁天島の社に、弁財天像が祭られている。同地区の守り神として長年信仰され、「弁天さん」と呼ばれ親しまれてきた。現在でも出港時は島に向かい手を合わせて無事を祈る風習が残っている。祭典委員会によると、最も古いもので1689(元禄2)年の御開帳の記録が残されている。

 21日午前7時に像を弁天島から祭典会場の多目的広場へと移し、23日午後3時に再び島へと戻す。21日は同広場で午前10時から太鼓演奏や馬ロックんのパフォーマンス、マグロの解体ショー、餅投げを催す。22日は午前9時から漁船パレード、御開帳法要、浦守神社で神事などを行う。期間中は広場に模擬店も並ぶ。

祭典委員会の高木和宏代表は「30年前と比べ、人口、漁業者が減る中、多くの地域住民から寄付をいただいた。弁天さんが住民にとって大切な存在と改めて感じた。多くの人に訪れてほしい」と語った。

問い合わせは高木代表〈携帯090(3562)7648〉へ。

引用元 伊豆新聞

 

 

弁天様といえば海上安全の守り神として鉄板の神様ですね。海の近くにはたくさんあります。
そしてここ安良里にも古くから祀られていたようです。

安良里では1689(元禄2)年の御開帳の記録が残されているそうで、300年以上の伝統があるようです。
でもこちらのご開帳は本開帳が60年周期、半開帳がその間の30年で行われてきたとのこと。
つまり300年でもたった10回しか開催されていないご開帳なのです。
前回の本開帳が平成元年であり、今年は半開帳にあたります。

でもこちらの秘仏・弁財天像はちょっと曰くがあったりします。
明治の頃にこちらの弁財天像を調査に出したおりになかなか返還されず、ようやく戻ったと思ったらまったく別の像だったそうです。もちろん村人たちは怒りましたがどうにもならず、その像に魂入れの儀を行って祀ったそうです。それから村人も騒がなくなったとか。
また昔、弁財天像を修復したときにすり替えられたとの話しも一部にはあるようです。

何しろ人目に触れるのは30年に一度の像ですから人の記憶違いもありえます。今は寿命が長くなったので2度、3度も見られる可能性もありますが、昔は一生に一度見られればラッキーだったであろうことを考えるとこれらの話しに何処まで信憑性があるのか。

ただ分かっていることは、今祀られている弁財天像は間違いなく大切にされ、今尚海上の安全を守ってくれているということです。
それを大切にしていれば何も問題ないでしょう。

ただそのようなミステリーもまたちょっと刺激となって面白かったりもしますよね。

これを逃すと次は30年後です、あるいはこの先見られない可能性もありますので足を運べる方は如何ですか?

 

西伊豆の海は綺麗ですよ。

www.fujirakuizuraku.com

安良里の弁財天像開帳の駐車場などの基本情報

会場

安良里多目的広場(安良里中央公民館駐車場)

地図

近隣からのアクセスと駐車場

西伊豆の136号を南下、黄金崎クリスタルパークを過ぎ、トンネルを抜けた先の次のトンネル手前の「安良里北」交差点を右折します。
右手に普段秘仏・弁財天像が収められている弁天島を見つつ直進しますと西伊豆町役場 安良里出張所の建物があります。
その向かい海側が会場の安良里多目的広場(安良里中央公民館駐車場)となります。

また136号を北上してきて「安良里南」交差点から入り道なりに進むとやはり付近に到着します。


駐車場は不明ですので周辺で係の方にお尋ね下さい。

公式情報

お問い合わせ 高木代表 携帯090(3562)7648

 

安良里港大弁財尊天御開帳に行き弁財天像を拝んできました

30年ぶりのご開帳

安良里港大弁財尊天御開帳 祭壇

安良里港大弁財尊天御開帳 祭壇

せっかくなので安良里の弁財天像のご開帳を覗いてきました。

弁財天は弁天様と親しまれる七福神の一人にも数えられる大変ありがたく、またとても有名な神様の一人です。

弁財天あるいは弁才天は仏教の守護神である天部の一つでありますが、そもそもはヒンドゥー教の女神であるサラスヴァティーが仏教に取り込まれたものです。またそれが日本に持ち込まれると神仏習合によって神道にも取り込まれて様々な変容を遂げていきます。

元となったサラスヴァティーはもともと聖なる河とその化身の名前であり、水を司る女神さまですが、後に芸術や学問も司るようになります。

そのようなわけでして日本の弁財天にもその性格は引き継がれており、また元来日本で信仰されていた水神様などともも同一視されたりするようになります。

代表的なのは宗像三女神の一柱である市杵嶋姫命(いちきしまひめ)です。厳島神社が有名ですね。

その他にも七福神にも数えられるように財宝神としての性格も付与され鎌倉市の銭洗弁財天宇賀福神社などというのも結構有名ですね。

そのように水に関する神様としての側面が意識され、川や湖、そして海の守り神として日本中の水際のあちこちで祀られてきました。

港の傍にある弁天島はまさにその象徴であり、日本中に一体幾つの弁天島があることでしょうか。
そしてもちろんここ安良里の港にも弁天島が存在し、昔から弁財天を祀り海の守り神としているのです。

安良里港大弁財尊天御開帳 祭壇2

安良里港大弁財尊天御開帳 祭壇2

 

現地に着きますと会場に据えられた祭壇は一目で分かりました。

祭壇に収められた弁財天像は近付かなければよく分からないほどで、体長は15センチほどと大変小柄でした。
もう少し質素なものを想像していたのですが、思っていたよりも色彩豊かに綺麗に修復され保存状態も悪くなさそうでした。

しかしちょっと戸惑いました。

祭壇には蝋燭とお線香があったからです。幟にもお寺の名前が……

弁天島には鳥居がありますので、てっきり神様として祀られているとばかり思っていたので仏教の方だとは思っていませんでした。
まあ、どちらでも有りの神様なのでここでは仏教だと云うことなのでしょうね。
明治政府が神仏分離を促した際にこちらの弁天様は仏教側に組み込まれたのでしょう。でも島に鳥居が……

でも毘沙門様と弁天様は初見の知らないところだとなかなか判断が難しいですね。

さてそんなわけでして安良里の30年に一度のご開帳の弁財天像を目にするわけです。

安良里 弁財天像御開帳 弁財天像

安良里 弁財天像御開帳 弁財天像


30年ぶりに人の目に触れたこちらの弁天様は八本腕の八臂像のお姿でした。
普通想像するのは七福神の琵琶を持った音楽の神様の姿ですが、実は弁天様にはもう一つの側面があります。

それが戦神です。
8本の手にはそれぞれ弓、矢、刀、矛、斧、長杵、鉄輪、羂索(けんさく)を持つとされています。サラスヴァティーが学問も司ることから頭が廻り、戦上手だということなのでしょうか?

それを現すように八臂像のお姿もあるわけですが、安良里の像もこちらの姿をしていて、伊豆はやはり鎌倉幕府の影響が強く弁天様も戦神の姿が優勢なのかもしれませんね。

ただこちらはよくよく見ますと手に持っているものが一部異なります。中世以降に弁才天と宇賀神(出自不明の蛇神)が習合した宇賀弁才天と呼ばれる姿のようです。

翁面蛇体の宇賀神が頭の上に付いていますし、手に持つ武器も減らされ、替わりに「宝珠」と「鍵」が追加されています。これにより福徳神、財宝神の面が強調されています。

船の安全と大漁を祈願するのですからむしろこちらの方が一般的には相応しいでしょう。

これは本当に300年以上前から伝わる像なのかと見ても、素人のわたしには皆目見当も付きません。
ただこんなに綺麗ですと逆に先に書いた噂のような事が想像されてしまうのも無理かなることかな、とも思えてしまいました。

小さな姿でしたがお顔は思っていたよりも優しかったです。心の穏やかさを感じました。

安良里の皆さんの心の籠もったこちらの弁天様はこれからも海をゆく人々を見守ってくださるのでしょう。


こうして無事にご尊顔を拝して来ました。次に会えるとしたらそれは30年後です。
年齢的には十分可能な範囲ですが、果たしてそれまで命が持つかどうかは運次第ですかね。
もし30年後に命あるならば、再びご尊顔を拝したく想います。
でもその時、弁天様の姿が変わっているかも……

30年前の本開帳の時には弁天島まで船を繋いで端として陸地から歩いて拝みに行けたとの話しもあるようですね。
とても楽しそうなのでできれば30年後にもそのような催しをしていただけると嬉しいですね。

行く気満々!――でも30年後……

 

ついでなので安良里の港をちょっと散策。

安良里港 神社

安良里港 神社

港の奥まった場所にありましたが何の神社なのかよく分かりません。幟が上がっているので弁財天と関係あるのかもしれません。

上に登っても社が収められている小屋の戸が閉まっていて中は見えませんでした。

ただ小さな朽ちた狛犬が。ちょっと微笑んでいるように見えるのはわたしだけ?

安良里港 神社の狛犬

安良里港 神社の狛犬

港に沿って道は巡っているので先に進みます。

安良里港 周辺

安良里港 周辺

造船所がありました。ここ安良里は造船で有名ですね。ドックにはメンテナンスのためと思われる船が入っていました。写真は撮り難かったので対岸から。

安良里港 造船所

安良里港 造船所

そのまま造船上を廻るとその先にももう一つ造船所があり、船着き場で終点です。本当はその先の堤防まで廻って弁天島を撮りたかったのですが私有地で入れませんでした。

安良里港

安良里港

こちらには海水浴場などがないのでこれまで巡ったことがありませんでした。それ程巨大なものではありませんが造船場のある港は漁港などとまったく違った雰囲気があって面白かったです。

 

そうそう、大切なことを書き忘れていましたね。

こちらのイベントは終了しました、次は2049年です。

これが書きたかったw